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コラム23 ボードゲームカフェという存在 似ているものとの比較その12

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*写真はイメージです。
 確かに「デッキを構築する」という一点においてMTGなどの「(トレーディング)カードゲーム」と似ている様に見えます。

 実際にやってみると、MTGと「ドミニオン」はかなり違います。

ドミニオン:陰謀 (日本語版)
ドミニオン:陰謀 (日本語版)

 何と言っても「毎回5枚のカードを全て捨て、5枚引き直す」…つまり、「毎ターン手札が完全に入れ替わる」ところが最大の違いです。

 日本人は特に「じっくり構える」デッキタイプが大好きで、「パーミッション」系を好みます。

 「パーミッション」とは「許可」と言う意味で、対戦相手にいちいち「許可」を与えんがごとく「対応」のみを行って、自分から動かないという陰険なデッキです(言い切った)。

 引いて(ドロー)、何もしない(ゴー(対戦相手に「どうぞ」という))ことから「ドロー・ゴーデッキ」などと呼ばれたりもします。

 ところが「毎ターン手札が入れ替わる」となると、「カウンター(無効化)呪文を握り続ける」ことが出来ません。

 この点、若干心理的な抵抗が無くはありませんでしたが、いざやってみると「デッキが回転する」ことによるダイナミズムがそれを上回ることが分かってきます。

 「ドミニオン」が最も素晴らしい点は

★納得度が高い★

という点です。これに尽きるんです!!

ドミニオン:デュアルセット錬金術&収穫祭 日本語版
ドミニオン:デュアルセット錬金術&収穫祭 日本語版

 言い方を変えるならば、ドミニオン以外のゲームは私にとってはごくごく一部を除いてドミニオンほどは「納得度が高くない」と言えるのです。

 確かに「山札からカードを引く」ところはこのゲーム唯一にして最大のランダム(無作為)部分ではあります。

 ですがその「元となる」デッキを作り上げるのは他ならぬプレイヤー自身なのです。

 ダメダメなデッキをマヌケにも作り上げてしまったのはプレイヤー自身なのですから、勝ちたいならもっといいデッキを作ればいい。

ドミニオン:異郷 日本語版
ドミニオン:異郷 日本語版

 最初は「10枚」と決まっていてその条件はどのプレイヤーも同じ。「お金さえあれば」どのカードも買うことが出来るのだから、状況が不利になるのはそのプレイヤーが買うカードを間違えたと言うことに他ならない訳です。

 この「全ての責任は自分にある」システムが物凄く納得度が高く、心地よかった。

 少なくとも「サイコロが続けざまに自分ばっかり1が出て、対戦相手は6ばっかり出た」といった“理不尽”で“納得がいかない”原因で勝ったり負けたりはしません。

 共通デッキで肝腎なところで駄目カードを引く“不運”で負けたりもしません。

 そりゃ「引きが悪い」ことはありますが、反面次の5枚ドローは確実に「いいカード」ばかり引けることでもあります。
 納得度が段違い。計算が立つのです。

ドミニオン:冒険 日本語版
ドミニオン:冒険 日本語版

 戦略やデッキに含まれるお金と呪文、得点カードの枚数比率などを「確率計算」することをゲーム以外の日常の場面や仕事中にまで考え始める末期症状でした。

 これは私程度の薄いプレイヤーですらそうだったのですから、もっと重症者は大勢いたことでしょう。

 驚くべきは「多彩な勝ち方」すら意識していて、一般的には「デッキ圧縮」といって「枚数少なく・密度を濃く」していくのが勝ちに繋がるのですが、「デッキ枚数」が勝利点となる「庭園」と言うカードがあり、このカードを使って勝とうとする(いわゆる「庭園プレイ」)と、通常の挙動とは逆に「一枚でも多く」無駄カードだろうが何だろうが買いまくって「デッキを太らせ」て勝ちを狙いに行くことになります。
(もっとも、一人庭園プレイヤーがいるとダレるので余り成功しているとは言えないと思いますが)

ドミニオン:暗黒時代 日本語版
ドミニオン:暗黒時代 日本語版

 とにかく「ドミニオン」はプレイした回数すら覚えていないほどひたっすら何度も繰り返しプレイしました。

 何回やっても「もう一回!もう一回!」となる素晴らしいゲームです。

 今はそのコミュニティは存在していないのですが、存続していたならば今も定番ゲームとして大回転していたことでしょう。

 ぶっちゃけ「マージャン」などではこうはならないし、「カタン」や「パンデミック」も同様。「ドリームブレード」なんてもってのほか。「あやつり人形」?そんなゲームあったっけ。

 勿論、欠点が無い訳では無く、特に「他人を攻撃するカード」は大不評でした。

 何しろゲームの性質上、デッキカードのオーナーシップ(所有権)すら奪う効果が普通に存在しえるため、「デッキ破壊」がそのままの意味で可能になるのです。

 偉そうで恐縮なのですが、これはデザイナー自身がこのゲームの面白さのキモが分かっていなかったとしか言えません。

 「デッキを作り上げる」ことこそが…下手すると勝敗よりも…それ自体が面白いのに、その努力を無にするのですから。

 ライターでMTGプレイヤーとしても名高い浅原晃氏の

「素晴らしいデッキが出来たが、負けていた」

という名言が全てを表現していると思います。

ドミニオンへの招待
ドミニオンへの招待

 また、エキスパンション「海辺」で初登場した「持続」カードはその処理の煩雑さと面倒さからゲームのダウンタイムを大幅に引き伸ばし、軽快なゲーム性を完全に損なう失敗アイデアでした。

 …この様に「欠点」もありましたが、「基本セット」と「陰謀」(出来たら「繁栄」まで)があれば「一生遊べる」ほどに素晴らしいゲーム、それが「ドミニオン」だったのです。

ドミニオン:繁栄 (日本語版)
ドミニオン:繁栄 (日本語版)

 …今にして思えば、この「ドミニオン」が「余りにも面白すぎた」ことが悲劇の始まりだったかもしれません。

 もう少しだけデザイン上の特長をば。

・「ターンスプリント」制
 多少の妨害カードはあるものの、基本的に淡々と自分のデッキを完成させていくソロプレイ感も強いゲームなんですが、最大の他人とのかかわりは「いかに早く得点を高く自分のデッキに集めるか」という、無理に名づければ「ターンスプリント」制でしょう。
 「ワードバスケット」やトランプの「スピード」、「ピット」などのリアルタイムで「速さを競う」ゲームも面白いですが疲れます。
 その点、「ドミニオン」はじっくり考えられるターン制でありながら「早い者勝ち」が相対的に決まるという理想的な構造をしているのです。

・キングメーカー問題
 2人で戦うゲームは一方が勝者で一方が敗者なので分かりやすいのですが、3人以上で戦う場合、最終局面で「勝つ可能性のある」2人のプレイヤーが鬩(せめ)ぎ合っている時に、蚊帳の外の第三のプレイヤーが取った行動によって、「どちらかを勝者に」してしまう現象がしばしば起こります。これを「キングメーカー(王を決めるもの)」問題と言います。
 ところが、「ドミニオン」のスコアマーカーは見えていません。デッキに含まれるカードをバラして数えきって初めて分かるので、ゲームの進行中は大雑把にしか分からないのです。そりゃ全ての情報は公開されてますから、猛烈に記憶力のいいレインマンみたいな人がプレイしていれば、全てのプレイヤーの得点を把握は出来るでしょうが、現実的ではありません。

ドミニオンへの招待2012
ドミニオンへの招待2012

・どん詰まり問題
 ゲームの最終局面において「どうやっても負け確定」になることはゲームである以上普通に存在します。ただ、ドミニオンはそれぞれのプレイヤーの点数が通常のプレイ中は分からないため、最後まで「いざ何点だったか?」のドキドキが楽しめます。まあ、余りにも一人がぶっちぎっていたりすれば自然と分かりますが…。
 一般的にドイツゲームなどでは「投了」文化が一般的ではないので、勝てる見込みのない消化ターンを延々つき合わされることも珍しくありませんが、「ドミニオン」においてはそれは無いのです

・得点計算がシンプル
 「得点カード」以外は一切点数になりません。
 デザイナーのセンスが悪いと「コインは10コインで1勝利点」とかやってしまいそうですが、そういうしゃらくさいことを一切していないのです。
 これ、意外と重要だと思います。

・複数プレイヤーに無理なく対応
 MTGは1対1ですし、カタンは4人が限界。マージャンは4人専用。
 それ以上となると「ドミニオン」の独壇場です。
 参加人数によってセオリーが変わってしまうゲームは少なくありませんし、ドミニオンとてそうではありますが、およそ人数によるセオリー変化が最も少ないゲームであろうと思われます。
 朧(おぼろ)げな記憶ですが、7人プレイまでしたことがあったはず。
 流石に7人となると、自分のターンが戻って来るまでのダウンタイムが長くなってしまいますが、それでも立派にプレイ出来たのですから流石。

・展開が多いのに速い!軽快かつ豪快なプレイ感覚
 『「市場」「市場」「村」から「鍛冶屋」、6コインで「金貨」!エンド!』
 そして墓地にカードを落として5枚引く…ってな具合。ターンエンドを宣言したらもう次のプレイヤーがプレイを始めていますからこちらはデッキのシャッフルに専念していればいいのです。
 元々カードゲーマーばかりだったということもありますが、とにかく処理が早い!それでいてやってることは多くて豪快。
 最初の2ターンなんてやることが殆(ほとん)ど決まっているので、マジで1人のターンが数秒で2回転し、そこから本当の勝負が始まる訳です。
 このゲームの速度と密度に慣れちゃった状態で他のドイツゲームやったりしたらそりゃもうタルくてタルくて…。

ドミニオンマニアックスSpecial
ドミニオンマニアックスSpecial

 …なんか、回し者みたいになってしまいましたが、ともかく5,000円なりの元手なんぞ完全に取り戻しまくった優良コンテンツたる「ドミニオン」。

 この印象が余りにも強烈であったため、「でかい箱で売っている『ドイツゲーム』ってのは間違いなく面白い!」という「予断」を生じせしめてしまったのです。


 その「崩壊の序曲」(大げさだな)は既に「追加エキスパンション」にありました。

 「持続」カードが駄目であることは既に書きましたが、

「民兵(手札が3枚になるまで捨てる)」や
「拷問人(手札を2枚捨てる)」くらいならいいのですが、

「泥棒(相手のデッキからお金を奪う)」や
「詐欺師(相手のデッキ内のカード一枚を無価値に変換する)」

くらいになると「幾らなんでもダル過ぎ」るのです。
 とある同人誌によると、「詐欺師」が含まれるサプライでゲームが始まると「早く終わって帰ろう」とばかり考える、ほどに面白くないカードでした。
 「破壊工作員」などは多くのコミュニティで使用禁止となったそうです。

 爆発的にウケたゲームだけに次々に発売されるエキスパンション(拡張)セットですが「全部が面白い訳じゃない」ことがじわじわと分かってきます。

 それに「10種類の王国カードの組み合わせは自由なので、無限に近い組み合わせで遊ぶことが出来る!」というのが売り文句なのですが、これはちょっと首肯しかねます。

 というのも、「どんな10種類でもいい」訳ではないからです。

・攻撃カードを入れるなら「防御」カードも入れる
 何度もやる内に気が付いたことで、こうしないと全員がノーガード状態になります

・攻撃カードは多すぎない様に
 そのゲームで使う10種類の王国カードは、ランダム(無作為)に決定するのが常ですが、ここで「大半が攻撃カード」なんてことになると大変なことになります。
 はっきり言って「クソゲー」に堕します。

・コストを均等にばらけさせる
 コストは2~8程度が普通(お金と得点を除く)なんですが、組み合わせによっては「全てのカードが6以上」みたいなサプライが出来上がることがあります。
 初期のデッキでは「6」なんて買えないので、全員が黙々と「銀貨」を買い続けるしょっぱいゲームになってしまいます。

 最低でも以上のポイントを守らないと「面白いゲーム」にはならないのです。

ドミニオン, ドミニオン:繁栄, そして ドミニオン:錬金術
ドミニオン, ドミニオン:繁栄, そして ドミニオン:錬金術

 はっきり言って「この組み合わせなら面白い」という「サプライリスト」は数種類か、多くても10種類くらいに絞り込めたのではないかと思うのです。

 これならば現実的です。

 また、サプライを変えることで「展開・セオリー」などがガラリと変わり、「まるで別のゲームをプレイしているかの様」に多彩な展開を“基本的なゲームのシステムは変えず”に楽しむことが出来たことでしょう。


 …こういう書き方をしていることからも察しが付くでしょうが、実際にはそういう未来は訪れませんでした。

 どうしてそうなったのでしょうか。

つづく

この記事へのコメント

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    話長い上に、何を言いたいのか全くわからない
    ボドゲカフェの話はどこいった?
    お前の思い出話なら、タイトルを修正しろ
    2016年04月08日 20:51
  • ブラックウッド

    コメントをありがとうございます。
    ご指摘受けまして色々考えたのですが、論旨は回り道しますけど、一応前提として書くべきことは書いておかないと話が進まないと思いましたので続けさせていただきます。
    タイトル変更は検討します。
    ご意見ありがとうございました。
    2016年04月09日 00:06